ケトダイエット
先週末、ニュージーランドに住む友達夫婦がうちの家に泊まりに来た。
30年来の気のおけない友達で、オーストラリアに来るたびに必ずうちの家にまず泊まりに来て、こちらに住む友達に会ったりしている。
彼らの友人夫婦であるケリーとニッキーに、日曜日、ランチに出かける約束をしていたそうなのだが、私も一緒にどうかと誘ってくれた。
この日の気温も32℃。
カップル二組とお邪魔虫の私との5人で、リバーサイドのクーラーの聞いたレストランでまったりとした2時間を過ごす。
この夫婦、ケリーはステーキを、ニッキーはラム肉を頼んでいたのだが、両方の皿には大きめの肉がデンっとのっているだけで、サラダや付け合せのポテトなどはついていなかった。
ランチが終わってもおしゃべりは続き、では食後のデザートでも頼もうかとなった時、ケリーが「僕たちはケトダイエットをしていて、甘いものは止めているから、遠慮するよ」と言った。
「それって、一週間とか2週間とか期限限定でやるの?」と聞いてみると、「いや、もう半年くらいやってるかな?」という答え。
ケトダイエットの事は時々聞くのだが、実際にどんなものを食べて、どんなものを食べないのか知らなかったので、ちょっと聞いてみた。
すると、基本的に肉や魚が中心で、消化する時に糖分となるものは徹底的に避けるらしいのだ。
道理で彼らのお皿の上には普通ならサイドについてくるサラダやポテトがなかったわけだ。
ケリー曰く、この半年間、ほとんど毎食「肉中心」というより、「肉だけ」しか食べていないらしい。
「時々ブロッコリは食べるけど、それくらいかしらね?」と奥さんのニッキー。
それ以外の野菜や果物は摂らないそう。
「このダイエットを始めてから、頭がすっきりして、快適な毎日を過ごせるようになったんだ。以前は午後はいつも疲れてぐったりしてたんだけれどね。何よりも、体重が随分減ったよ。」
私から見たら、この友人夫婦はふたりとも今でもぽっちゃりしているように見えるのだが・・・。
彼らと別れてから、私はニュージーランドからの友達夫婦に、「ケリーとニッキーの食生活、あんまり健康的じゃない気がするんだけれどね。肉だけで、野菜や果物を摂らないって、食生活のバランスが全然取れてないよねえ。あんな食生活を半年もしてたら、そのうち病気になるんじゃないのかなあ・・・?」とチラッと言ってみた。
「そうなんだよ。僕達もそう思うんだけれど、彼らが良いって信じているものを頭ごなしに否定できないから黙ってるんだよ。でも実際、ケリーは随分痩せたのは確か。」
「でも、前は二人共、コーラが大好きで、水みたいに飲んでいたからね。ま、痩せたのはコーラを止めたからかも・・・」と言っていた。
私は知り合いでソフトドリンクを毎日水を飲むように飲んでいて、糖尿病になった人を知っている。
彼女もかなり太っていた上に糖尿病になったので、ダイエットコーラに変えたのだが、それもどうなのか・・・。
せめてソフトドリンクを水に変えるだけで充分健康を取り戻せると思うのだが、そこにひたすら肉しか食べないケトダイエットが入り込んでしまうとは・・・。
「食事はバランスよく摂りましょう」と、誰か言ってあげてやって・・・と思った日曜の午後であった。